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貴志祐介 天使の囀り のレビュー

2010-02-03

作者:貴志祐介

天使の囀り (角川ホラー文庫) (文庫)

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。

天使の囀り (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
角川書店
売り上げランキング: 8444
おすすめ度の平均: 4.5
5 胸に迫る、タイトルの意味
4 退屈な序盤を凌げば、凄絶な恐怖へいざなわれる
5 発見・想像
5 主人公の職業に必然性があった
5 ああ嫌だ…まだページ残ってる





文字だけで感情を鷲づかみされる


やはり、貴志祐介は面白い。
圧倒的な知識と情報量。緻密な構成、無駄のなさ。
生理的な嫌悪、感情が一瞬のうちに置き換わり、
愛する者がその人らしさを失うことの悲しみ、虚しさ、無力感。
文字だけで、様々な感覚や感情が総動員される。

挿入されている民話や手記が秀逸で、リアリティに輪をかける。
ホラー小説に分類されるが、テーマは深い。
最後には、医療倫理の問題の布石を投げかけているが、
この部分がこの小説の唯一の救いの部分でもある。

難を言えば、弱い部分のある男性にしか魅かれない という女性主人公の描き方と、
夢の解釈がやや強引なところか。



悩める人々の前に天使が舞い降りる


次々に起きる謎の自殺。アマゾン探検隊が持ち帰ったのは天使か悪魔か。

かなりグロい描写がいっぱいです。人間によく似た猿の捕食、蜘蛛の大群、アオコに覆われた湖、そして「第4段階」に達した人々の姿・・・想像力の強い方にはかなり刺激が強い内容です。映像化したらかなりの衝撃でしょう。ともすると荒唐無稽で現実感のない印象を与えそうな衝撃のシーンですが、綿密に調査された生物学的、心理学的な理論の裏付けがお話にリアリティを与えているため、「現実にもあるかも知れない」という恐怖を増幅しています。

最後の方に「変貌」があるため、「天使」の存在は人間にとって悪という印象が残ってしまったのがちょっと残念です。ラストシーンは非常に考えさせられるものがあったので、「悩む人々への救済はどうあるべきか」というテーマをより考えさせるためには(ホラーとしての効果を除けば)あのシーンはない方がよかったかと思います。

本に出てくる生物や神話の知識などはネット検索で補完しながら読み進めるとよりリアリティを感じることができますのでおすすめします。細部まで非常にできた小説。お勧めです。


天使の囀り (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
角川書店
売り上げランキング: 8444
おすすめ度の平均: 4.5
5 胸に迫る、タイトルの意味
4 退屈な序盤を凌げば、凄絶な恐怖へいざなわれる
5 発見・想像
5 主人公の職業に必然性があった
5 ああ嫌だ…まだページ残ってる

テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ファンタジー・幻想ホラー

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