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恒川光太郎 雷の季節の終わりに のレビュー

2010-02-06

作者:恒川 光太郎

雷の季節の終わりに (単行本)

現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。

雷の季節の終わりに
雷の季節の終わりに
posted with amazlet at 10.02.06
恒川 光太郎
角川書店
売り上げランキング: 160736
おすすめ度の平均: 4.5
5 幻想的ファンタジー。
5 風わいわいに誘われて
5 本当美しいが似合う
4 急ぎ足の後半が惜しい
4 引きずり込まれる




美しい文章の魔術


架空の町と、現世での出来事が、いろいろな人の視点から書かれていて
穏という不思議な町の出来事と、現世の話が、平行的に描かれて、後半、重なっていく。

誘導されてるなーと思って読んでると、アレ?と思う意外な結末。
この作家の作品で、今まで、ものすごい悪者っていうのが出てきたのを、
あまり読んだことがなかったのだけれど
この作品には、継母とか、鬼を名乗るトバムネキとか、有力者の息子のナギヒサとか
絶対的な悪者が登場するのだが、それが、理屈抜きに悪すぎて、
得体が知れなくて怖くていい。

あらすじを書きなおしてると、小学生の課題図書みたいだなぁって内容なのに
読んでいて、まったくそんな感じはしない。

何度も同じように褒めてしまうんだけど、やっぱり、文章のせいじゃないかと思う。
美しい文章。

視点を変えて、いろんな方向から書く手法は、わたしも大好きだし
長編も充分面白かったけれど、やはり、夜市や、秋の牢獄くらいの短編が
この作家さんの本領を発揮できるのではないかと思います。
不思議感が、その方が薄れないので。


一口にホラーというけれど。


不思議な作品です。
ファンタジー、ミステリー、ホラー、歴史小説、青春もの、冒険もの、民話??
いろいろな分野が混じり合っていて、
実に魅力的な作品になっています。

おどろおどろしいシーンが多いのですが、
それがさらっと描かれいるのでうまく話のアクセントになって、
先へ先へ物語を読み進めてくれます。
登場人物のひとりひとりがいきいきと表現されていて、魅力的です。
非現実的な内容なのですが、
もしかしたらこれは現実かも・・と思わせるうまさがあります。

その中で少しケチを付けるとすると、「トバムネキ」のその後の様子です。
何となく付け足しのような気がしました。
いきなり主人公と対峙しても物語は成立したのではないでしょうか。
読み手としては、少しなかだるみを感じてしまいました。


幻想的ファンタジー。


『秋の牢獄』や『夜市』は怪異が主体なのに対して、この『雷の……』は世界が主体に思える。
壮大な世界がまず第一にあり、その世界ではこうこうこういった謎がある……といった感じだ。
しかし、それが計算された美しさを持っている。
やはりここにも氏特有の人間のイヤらしさがあるが、何故そうなったのかが描かれている分、安心して読めた。

世界は広大で謎や秘密があり、そしてそれは時に人を怪物に変える。

本当にそんな世界があるのではないか、そう思わせる作品だった。
問題といえるかどうかは分からないが、すっきりと最後を終わらせているが故に違和感のようなものがあった。

あまり高い評価を受けていないようだが私は個人的に“こちら側”の世界を突き詰めた本を出して欲しいと思った。
あの人間達やあの現象についてもっと掘り下げてもいいんじゃないだろうか。


雷の季節の終わりに
雷の季節の終わりに
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恒川 光太郎
角川書店
売り上げランキング: 160736
おすすめ度の平均: 4.5
5 幻想的ファンタジー。
5 風わいわいに誘われて
5 本当美しいが似合う
4 急ぎ足の後半が惜しい
4 引きずり込まれる


テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ファンタジー・幻想ホラー

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