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今邑彩 よもつひらさか のレビュー

2010-02-14

作者:今邑彩

よもつひらさか (集英社文庫) (文庫)

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。

よもつひらさか (集英社文庫)
今邑 彩
集英社
売り上げランキング: 77849
おすすめ度の平均: 4.5
5 やるなぁ・・・
3 雰囲気はよかった…
4 タイトルに惹かれて
5 これはすごい作家だ
5 粒揃いの短編集




粒揃いの短編集


どのお話も粒揃い!よく出来ていて、ゾワゾワ?と怖くなって、
全く退屈せずに一気に読んでしまった。
結末は大体こんな感じになるのだろう・・・と予想はつくのに、
それでも全く集中力を途切れさせることなく引き込まれてしまう筆の力は
本当にすごいと思う。


繊細でファンタジックな描写と戦慄の結末の同居


魅力あふれる長編のホラーミステリー作品を発表し続ける著者の12編の短編集だ。著者の短編作品には独特の魅力が凝縮されている。それはホラーでありながら暖かみすら感じる繊細な心理描写とともに、予想を大きく裏切られる展開と戦慄を覚える結末が用意されているという点だ。時には猟奇的であったり、時にはファンタジックであったりするが、結末には驚愕させられる。

作品はテーマ別に配列されている。
謎解きの楽しみのある「見知らぬあなた」「ささやく鑑」「茉莉花」「時を重ねて」
猟奇的な「ハーフ・アンド・ハーフ」「双頭の影」
社会問題化しているテーマの「家に着くまで」「夢の中へ」「穴二つ」
ファンタジックな「遠い窓」「生まれ変わり」「よもつひらさか」

これらの中で特にファンタジックな描写が光る。「遠い窓」では壁にかけられた絵のアパートの窓の状態が日々変化するが、その様子が日記風に空想されていて夢がある。無論その現象の説明と取り返しのつかない結末が用意されているが、情緒的に深いところまで描かれる。表題作「よもつひらさか」は一瞬もページから目が離せない緊張感に満ちており、主人公の恐怖を覚える心理状態がリアルに描かれるが、古事記に題材を求めた幻想的雰囲気にひたる事が出来る。

著者渾身のきわめて密度の濃い短編集だ。
結末を知っていても、何度でも読みたくなる。


ホラーファンタジー


初めて今邑さんの作品に出合ったのがこの「よもつひらさか」。
どこかで聞いたことがあると思ったら…イザナミとイザナギの話だったんですね。
「見知らぬあなた」、「ささやく鏡」などは背筋がゾクッとするような不気味さ。「ハーフ・アンド・ハーフ」にいたってはかなりブラックな結末となっています。
ダントツなのはやっぱり「よもつひらさか」。一人でこの坂を歩いていると死者に会うという不気味な坂。もし自分が、亡くなった大好きな人に声をかけられたらどうするだろう…と考えてしまいました。
一度読むと忘れることのできない結末。短編集ならではの緊張感に満ちたホラーファンタジーです。



よもつひらさか (集英社文庫)
今邑 彩
集英社
売り上げランキング: 77849
おすすめ度の平均: 4.5
5 やるなぁ・・・
3 雰囲気はよかった…
4 タイトルに惹かれて
5 これはすごい作家だ
5 粒揃いの短編集


テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ホラー短編集 ファンタジー・幻想ホラー

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