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大山尚利 チューイングボーン のレビュー

2010-02-18

作者:大山尚利

チューイングボーン (角川ホラー文庫) (文庫)

“ロマンスカーの展望車から三度、外の風景を撮ってください―”原戸登は大学の同窓生・嶋田里美から奇妙なビデオ撮影を依頼された。だが、登は一度ならず二度までも、人身事故の瞬間を撮影してしまう。そして最後の三回目。登のビデオには列車に飛び込む里美の姿が…。死の連環に秘められた恐るべき真相とは?第12回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

チューイングボーン (角川ホラー文庫)
大山 尚利
角川書店
売り上げランキング: 503523
おすすめ度の平均: 3.5
5 これは!!
4 もっと良くなります。大山さんへ激励。
5 文学の香り高いホラー
5 傑作
4 ホラー小説に飽きてきた頃におすすめ



文学の香り高いホラー


この物語の構成は比較的単純だが、細緻な心理描写の連続で、緊張感に終始する。
鉄道自殺をビデオ撮影する登が、どうして平静でいられるのか?
それが、張のうろたえぶりと、強烈に対比される。

世間には、この様な衝撃的な映像の需要があるらしい。
しかし、物語は、供給する側の心理や人間の在り方に重点を置く。

物語の情景描写は、時に過剰に細かく、
一読では、不要なのかも知れない?と感じる部分も多い。
しかし、そんな部分も、緊張感に満ちていて、
しかも、全体として文学の香りが香しい。

タイトルのチューイングボーンは、物語を抽象的に象徴する。
その、象徴性にも、文学の香りを感じる。

私の読書歴に、大きな1ページが加わった。


ホラー小説に飽きてきた頃におすすめ


どちらかと言えば純文学に近い作品です。
こういう作品を出すあたり、SFやミステリーなど幅広いジャンルを網羅する、角川ホラー文庫の懐の広さが伺える気がします。
一気に読み終えてしまうような迫力はありません。地味な展開を文章力で読ませていきます。途中は確かにつらかった。
けれど最後まで読んだときの、鮮烈な印象は、他のホラー小説では味わったことのないものでした。
読み終えた瞬間、途中の冗長さなど全て忘れて、
「いい小説だ」
とつぶやいてしまいました。
近頃ホラーに飽き始めていた自分に、ホラーの新たな可能性を見せてくれた作品です。

角川ホラー文庫には今後もこの純文学路線を模索してほしい。


傑作


非常に文学性の高い作品。現実的というよりは幻想的な作品で、叙情性も豊か。
ストーリーもよいが、文の巧さが特筆される。此れほど巧い作家は滅多にいない。今後の活躍が期待される。


チューイングボーン (角川ホラー文庫)
大山 尚利
角川書店
売り上げランキング: 503523
おすすめ度の平均: 3.5
5 これは!!
4 もっと良くなります。大山さんへ激励。
5 文学の香り高いホラー
5 傑作
4 ホラー小説に飽きてきた頃におすすめ


テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ファンタジー・幻想ホラー

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