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小林泰三 家に棲むもの のレビュー

2010-02-20

作者:小林泰三

家に棲むもの (角川ホラー文庫) (文庫)

ボロボロで継ぎ接ぎで作られた古い家。姑との同居のため、一家三人はこの古い家に引っ越してきた。みんなで四人のはずなのに、もう一人いる感じがする。見知らぬお婆さんの影がよぎる。あらぬ方向から物音が聞える。食事ももう一人分、余計に必要になる。昔、この家は殺人のあった家だった。何者が…。不思議で奇妙な出来事が、普通の世界の狭間で生まれる。ホラー短編の名手、小林泰三の描く、謎と恐怖がぞーっと残る作品集。

家に棲むもの (角川ホラー文庫)
小林 泰三
角川書店
売り上げランキング: 144140
おすすめ度の平均: 4.0
3 いまいち
5 ストレート
4 どうでしょう、このレベルの高さ
4 泰三の世界
3 ど真ん中直球で



どうでしょう、このレベルの高さ


いやあ、レベルが高い高い。
人をひきつけるグロテスクな文体と、最後に待ち構えるどんでん返しと悪意。
読むものを恐怖をどん底に陥れる傑作。
本当にこの人の作品は眩暈がしてきそうな傑作ばっかり。


ストレート


8篇の短編集。
短編という枠の中で、描こうとしている物が明瞭だ。
つまり、まわりくどくない、ストレートな構成が光る。
猟奇的表現にばかり重点を置いてはいない。
物語の組み立てが巧みだ。

「食性」「肉」などは、タイトルがそのまま内容だと言える。
表題作の「家に棲むもの」は、なかなかの恐怖感を伴い、
結末も意外だ。その他の作品も、非常に質が高い。

著者の最高傑作の一つである事は間違い無い。



泰三の世界


この作品集が出た半年後にもう1冊「目を擦る女」が出ており、こちらのほうが(特にSF系読者の)評価は高いようです。
確かに収録作品個々の「平均点」は「擦る女」の方が高いようですし、SF系のプライズにノミネートされた作品もあります(「予め決定されている明日」)。
筆者も「未公開実験」のラストに予想しながらもついのけぞってしまったクチです。が。
この作品集に所収の「お祖父ちゃんの絵」の壮絶なまでの仕掛けとインパクトにそれは雲散霧消してしまいました。この1作の展開の見事さだけでも読むに値する作品集といえます。
現在のところ作者の最高傑作といっても過言ではないでしょう。
「擦る女」ほどの論理的思考や科学知識は必要としません。むしろ、「肉食は殺生だ」「家族でない誰かの存在を家に感じる」「今の記憶と子供のころの記憶は繋がっているのか」といったわかりやすい視点から発生する感覚的な恐怖が、この作品集には溢れています。でも、十分、しかも納得が行くほど怖いのです。
「ホラー作家」としての作者の神髄が出ている作品集です。前掲「擦る女」とあわせての一読をおすすめします(世界観が繋がっている作品があります)。



家に棲むもの (角川ホラー文庫)
小林 泰三
角川書店
売り上げランキング: 144140
おすすめ度の平均: 4.0
3 いまいち
5 ストレート
4 どうでしょう、このレベルの高さ
4 泰三の世界
3 ど真ん中直球で



テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : スプラッタホラー ホラー短編集

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