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平山夢明 独白するユニバーサル横メルカトル のレビュー

2010-02-21

作者:平山夢明

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫) (文庫)

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
平山 夢明
光文社
売り上げランキング: 17143
おすすめ度の平均: 3.5
3 グロテスク小説
5 残酷さの限界への挑戦
4 平山ワールドと奇怪な表紙とのインナートリップ
1 タイトルと表紙絵にひかれて
4 怖いもの見たさ



平山ワールドと奇怪な表紙とのインナートリップ


『「超」怖い話』で平山氏を知ってから、ちょくちょく読んでいます。

本書は、表現が秀逸でえげつなく、読者の「原始の想像力」をさかなでされる代表作がたくさん収録されていて、秀作です。
表紙絵の力(魅力、魔力)は、大きい。

ホラーでもない。怪談でもない。いわば、夜想小説、夢想小説、悪夢と言えます。

本短編集は氏の代表作であり、かつ、キッカイなタイトル「独白する」「ユニバーサル」「横メルカトル」という、謎めいた題名、それと、シュールな表紙とあいまって、本の扉を開く前から読者はすでに奇怪な世界へと足を踏み入れていきます。

・ニコチンと少年
・Ω(オメガ)の聖餐(せいさん)
・無垢の祈り
・オペラントの肖像
・卵男(エッグマン)
・すさまじき熱帯
・独白するユニバーサル横メルカトル
・怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男

「ニコチンと少年」は題名がしゃれですが、空恐ろしくも気味が悪い傑作。
「オペラントの肖像」はどんでん返しがあって、推理小説風でおもしろい。
表題作は、実は、一連の収録作の中では、まだ「まとも」な話(設定は独特ですが)と言えます。

夢明氏の作品は、一度とりこになると、クセになるような、そんな毒と夢想を含んだ血肉と供物を含んだ、魅力的な「闇」の小説です。
読者は、自分でも気がついていない、自らのどす黒いリピドーを、まるで鏡に映った自分の姿を見ておののくがごとく、新しい発見にたじろぐ可能性大です。


グロテスク+α


「このミス大賞」との帯を見て購入。短編集で、特に短編ごとのつながりはありません。

SFのような世界観で、それぞれの短編ごとに条件付けをされた、違う世界の上で描かれています。受賞作の”メルカトル”も、一人称が地図という設定で物語がすすみます。
なかなか生々しい表現が多い(端的に言ってしまうと”グロい”)作品なので、読む人を絞ってしまう部分はありますが、個々の短編がそれなりに嗜好をこらされていて、ただ不思議な設定というのではなく設定を生かした物語が展開されるため、読み応えがありました。

個人的にはオメガの憂鬱と、条件付社会の短編について、そもそも設定がユニークなのと、ユニークな設定に負けない意外な展開を持っているということで評価して、星4つです。


独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
平山 夢明
光文社
売り上げランキング: 17143
おすすめ度の平均: 3.5
3 グロテスク小説
5 残酷さの限界への挑戦
4 平山ワールドと奇怪な表紙とのインナートリップ
1 タイトルと表紙絵にひかれて
4 怖いもの見たさ



テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ホラー短編集 スプラッタホラー

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