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篠田節子 夏の災厄 のレビュー

2010-02-27

作者:篠田節子

夏の災厄 (文春文庫) (文庫)

東京郊外のニュータウンに突如発生した奇病は、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病が今頃なぜ?感染防止と原因究明に奔走する市の保健センター職員たちを悩ます硬直した行政システム、露呈する現代生活の脆さ。その間も、ウイルスは町を蝕み続ける。世紀末の危機管理を問うパニック小説の傑作。

夏の災厄 (文春文庫)
夏の災厄 (文春文庫)
posted with amazlet at 10.02.26
篠田 節子
文藝春秋
売り上げランキング: 185698
おすすめ度の平均: 4.5
5 公務員という災厄
5 すばらしい!
3 事実は小説より奇なり
5 ヒーローのいないパニック小説
5 3回くらい読み返しちゃったよ




ヒーローのいないパニック小説


篠田ファンの人に、最初に読むなら何がいいかなと聞いて勧められたのがこの本でした。
この手のパニック小説というと、たいていはお医者さんか科学者が主人公で、病原菌の謎を解き、最後にはあっと驚くような解決法を見いだす、といったストーリーが主流ですよね。だからこれも、そういった展開になるものと思って読み始めました。展開がわかっていても、作者の筆力次第でいくらでも面白い小説になるものですからね。

ところが、読み進めていってもなかなか”ヒーロー”は出てこない。役場の職員や看護士など、どちらかというと”脇役”っぽい人たちがまとめて主役になっている。社会全体から見たら小さな存在かもしれない人たちが、この事件の中ではそれぞれがとても大きい存在感を示し出す。そう、社会っていうのは、誰か一人のヒーローではなく、こういった名もない一人一人が作り出しているものなんだ、と思わせてくれる。

ラストは想像していたものとは違ったけれど、一種の爽快感さえ感じるほど気持ちのいいものだった。


進化するウイルスの恐怖


O-157が流行り、その名を初めて知ったのは何年くらい前だっただろう。毎年、冬場になると多かれ少なかれインフルエンザが流行し、春になれば花粉症患者が激増する。
「日本脳炎」と聞いても、私の世代ではぴんとこない(ただ単に私個人が無教養なだけなのかもしれないが)。それがどんな病気で、罹ったらどんな症状に陥るのか、そして致死率はどのくらい高いのか。

東京郊外のある特定の地域で、新型の日本脳炎が突如流行し、市の保健センター職員や医療関係者たちをひどく困惑させる。当初、日本脳炎と思われていたその病は、明らかに従来の病気に伴う症状とは異なる点がいくつかあり、人々は致死率が極めて高く、また命を取り留めても肢体などに重い障害が残る疫病の恐怖と真正面から向き合う、自分や家族の命を自ら守らねばならない。病気の発生源はどこなのか、感染ルートは?

続々と発生し次第にパニックの様相を呈する町で、疫病と戦う者たちは、それを突き止めようとするが…。予防接種の危険性を唱えていた医師が、この新種の疫病に対する予防接種を提唱したり、今まで自分が「常識」と捉えていた考えを棄て、医療に従事する者たちはフレキシブルな対応を迫られる。ウイルスが進化したとき、人もまた従来の考えを改めなくてはならない。ああ、それにしてもこの話がフィクションであって本当によかったと読了後、心から思った。



夏の災厄 (文春文庫)
夏の災厄 (文春文庫)
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篠田 節子
文藝春秋
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おすすめ度の平均: 4.5
5 公務員という災厄
5 すばらしい!
3 事実は小説より奇なり
5 ヒーローのいないパニック小説
5 3回くらい読み返しちゃったよ


テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : パニックホラー 長編ホラー

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