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小川洋子 寡黙な死骸 みだらな弔い のレビュー

2010-03-02

作者:小川洋子

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫) (文庫)

息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える―時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)
小川 洋子
中央公論新社
売り上げランキング: 116943
おすすめ度の平均: 4.5
5 連載のあるべき姿。
5 飲まれます!!
5 秀逸なタイトルと奇妙に繋がる短編たち
5 静かな弔いの短編集
4 幻惑の輪の中に・・・




幻惑の輪の中に・・・


死と弔いに関する11の物語。

各作品が場所やモノでつながる連作のようなそうでないような短編集。著者の他の短編集にも見られるが、作品の配置が時系列でなく、ある作品に前の作品が「小説内小説」として登場したりといった込み入った構造が歪みをつくり出し、幻惑される気分になる。そして最後の作品が最初の作品に連なり、幻惑の輪の中に読者は閉じ込められる・・・

一篇一篇に関して言えば、連作的なつながりとは裏腹に、バラエティに富んだ内容で、さまざまなイメージの世界が展開される。現実的な筆づかいで幻想的なイメージを立ち上げるのは著者ならでは。

ところでタイトルの一部、「みだらな弔い」というのはどうだろう。「みだら」というよりむしろ、各々の死に対して、必ずしも性的とは限らない、ふさわしい弔いが行われている気がする(もちろん倫理的な意味ではなく)。これもまた、著者による逆説的な表現なのだろうか。


静かな弔いの短編集


非常に静謐な文章で、たくさんの弔いが時計塔のある街を中心に綴られ、しかも全ての作品がリンクしている。
小川洋子独自の文章。そして、実に緻密に計算されて、あるいはいかにも偶然のように語られていく様々な人間模様。
不条理でいて今の現実社会においてのある意味現実味を帯びた作品群は、非常に魅惑的で、それでいて恐れるべきものであるかもしれない。


文体


小川洋子の本には安心できる。外れがない、どれも高いレベルで安定した物語になっている。
全てに共通しているのは、とても冷ややかな世界を作り出す冷たい文体と大掛かりな事件には頼らない作品構成だ。
惜しむらくは彼女の作品には長編が少ない点だ。文学史に残るような長編作品を書いてくれることを切望している。


寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)
小川 洋子
中央公論新社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 連載のあるべき姿。
5 飲まれます!!
5 秀逸なタイトルと奇妙に繋がる短編たち
5 静かな弔いの短編集
4 幻惑の輪の中に・・・




テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ホラー短編集 サイコホラー

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