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飴村行 粘膜蜥蜴 のレビュー

2010-03-03

作者:飴村行

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫) (文庫)

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
飴村 行
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 29834
おすすめ度の平均: 4.5
5 バカで愛嬌満点の河童、最高!
5 稀に見る構想力と"虫酸が走る"描写力とで
読む者を圧倒する傑作
5 今年読んだ中で、一番面白かった。
4 坊っちゃん応援歌
4 どろどろの世界観



稀に見る構想力と"虫酸が走る"描写力とで読む者を圧倒する傑作


太平洋戦争を背景に、両親を失った美樹夫・真樹夫兄弟の体験をベースに、「愛と罰」の意味を極度の生理的嫌悪感の中で綴った異色作。
冒頭で、12才の真樹夫の級友で地元の権力者の息子の雪麻呂邸での怪異な現象が語られると共に、マレー半島の架空の国ナムールに住む爬虫人ヘルビノが紹介される。

第二章は本作の中核で、ナムールでの新任少尉美樹夫の戦争体験談。清廉な美樹夫は軍と癒着した阿片王間宮の離村への護送を命令される。ナムールでは抗日のゲリラ活動が激しく、経験豊富かつ篤実な部下が二人付く。
だが、間宮の我儘のため一名が命を落とす。このゲリラとの闘いや縦の人間関係による悲劇はルーチン的だが、その写実的描写には目を見張るものがある。

冒頭の怪奇的描写との乖離を訝しんでいると、一行が密林に入ってからが作者の本領発揮だった。想像を絶する気色の悪さ。特に沼から襲ってきた「ぬらぬらした赤紫色の粘液質の表皮を持つ、丸太のような巨大肉食ミミズ」ゼムリア。もう一人の部下を道連れに、黄色の体液を流しながら死ぬ様もおぞましい。そして、やっと辿り着いた村の惨状。ヘルビノ族に殲滅されたのだ。これを笑い飛ばす間宮は既に狂気の世界か。加えて、間宮がメスのヘルビノを凌辱後、殺害した事で二人は捕われ、爬虫人居住区へ。「掟」に従った"執行人"による間宮処刑シーンも凄惨。そして、ヘルビノ族の長老と美樹夫との神秘的コンタクト...。

最終章は、雪麻呂を主人公としたスラップスティック・コメディと見せかけて、雪麻呂の母親の失踪の謎、父親の脳移植研究、美樹夫の体験が一気に収斂する鮮やかな構成。
登場人物では、富蔵の造形が光る。稀に見る構想力と"虫酸が走る"描写力とで読む者を圧倒する傑作。


どろどろの世界観


どこにもない世界観。どろどろの描写。これほど好き嫌いがはっきりと分かれそうな小説もめずらいしい。
でも僕は結構好き。


粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
飴村 行
角川書店(角川グループパブリッシング)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 バカで愛嬌満点の河童、最高!
5 稀に見る構想力と"虫酸が走る"描写力とで
読む者を圧倒する傑作
5 今年読んだ中で、一番面白かった。
4 坊っちゃん応援歌
4 どろどろの世界観





テーマ : ホラー小説レビュー
ジャンル : 小説・文学

tag : ホラー・ミステリー SFホラー

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